『まだ決まった訳じゃない……と思う』
『ええっ、』
『ていうかっ、こうやってうじうじ悩んでる時点で、その人のこと好きなのは確定じゃん?』
『う、』
『で、憂はまだ諦め切れてないんだ』
いつもならすぐ別の人探すもん、とそう続けた亜子に、私は何も言えなかった。
『諦め切れてなくて、彼女がいるかどうかも不確定。なら、やることは1つなんじゃない?』
なんて、亜子に言われるがまま、私は例のコンビニの前に立っている。
夜の6時過ぎ。
季節は冬。周りはもう暗くなっていた。
確かに、私は桂木のことが好きで、まだ諦め切れていない。
でも、だからって、直接桂木に聞くだなんて……っ。
むり、ぜったい、むり。