『(なにそれ、バカじゃん)』
バカで、健気で、可愛いなぁ、と。
そう思った。
ドサッとレジにカゴを置いた女子は、俺のことを見向きもしなかった。
大量のお菓子に、泣き顔の女子。
それから、その時の俺は、ふとその子の笑った顔を思い出した。
『……』
この子が笑顔になる理由が、
ぐちゃぐちゃに泣く理由が。
全部俺であればいいのに、なんて、考えてしまった。
考えてしまった結果、
『今日もお菓子パーティーですか』
そんな言葉が、口からこぼれ出た。
『……はい?』
怪訝そうな顔をしたその子に、"しまった"と思った。
けど、
初めて目が合ったのが嬉しくて。