あの後、関係性に特に変化はなかった。
 変化を求めていなかったと言えばウソになる。

 だけど・・・
 だけど、思いきり強がって見せれば、あれで良かったと思っている。今のオレにも何もないけど、あの頃はもっと何もなかった。ただただ、自分勝手な思い上がりを、自己満足だけのためにぶつけていた。



 いや、そんなことよりも・・・

 自分の存在を、シャコは求めてはいなかった。
 そのことに気付くまで、そんなに時間はかからなかった。

 この世界がそうであるように、シャコの世界はオレがいなくてもグルグル回る。グルグルグルグル、本当に、目が回るくらい、スムーズに、何の問題もなく、グルグル回る。


 笑ってしまう。

 少しでも力になりたいと。
 笑顔を守りたいと。
 それが思い上がりだと。


 本当に愚かだ。

 
 何も知らない。
 何も分からない。
 そこに、居場所はない。
 必要ではない。
 こんな簡単なことが。

 別に、卑屈になっている訳ではない。
 単に、現実を真実として受け止めただけだ。



 自分ですらログインしなくなった小説サイト。
 たまに見掛けるSNSのつぶやき。
 関心がなくなったケータイ小説。
 近況報告ににじむ苦悩。

 届かない苦しさに、手を握り締める。


 いつも、笑顔でいてほしい。


 他愛もないアップデートされた画像。
 いいね、ですらほとんどクリックしなくなった。
 まるで、背中を丸めた子猫のネコパンチ。

 見守ることしかできなくて、目を閉じて天を仰ぐ。


 願わくば、ずっと、笑顔でいてほしい。