俺は、春の季節が嫌いだ。それに、学年1位の争いライバルの春も嫌いだ。

「あーっ!!」親友の優が急に叫ぶので、俺はびっくりして、少しキレる。「おいっ!!優!びっくりするだろ!?なんだよ急に。」
俺がそういうと、「あ、ごめんごめん」と、優が笑って謝ってきた。 まったく、イケメンはなんでも笑顔で許されるから、いいよな。優はイケメンで、スポーツ万能で、勉強もできる。おかげで毎日、優の下駄箱の中にはラブレターの山。そのせいで、俺もよく女子に優の家を聞かれたり、優のことがわかるかもしれないと思ったと言って、俺と優をストーカーしたりする女子がいて、改めて「女子こっっわっ!!」と、思い知らされたのだった。 そんな優目当ての女子に囲まれる俺にも、俺に話があると言ってきて、また優に話しかけづらいから、俺に伝えておいてくれとでも言われるのだろうか。少し期待もしているが、まぁどうせ優のことだろと思っていた。が、彼女は「太陽くん、あのさ、」ごくりと、つばを飲み込む。少しドキドキして期待してる自分、どうせ後で後悔するだけだぞ、だって、相手は俺と学年一位争いをしている女子、春。春は優と同じく、美人で、背もいいくらいに高くて、スタイルも良くて、勉強ができる。まぁ、しかしスポーツだけは絶望的だが。そんな彼女も、唾を飲み込んでから、すーはーと息をゆっくりして、落ち着かせていた。「あの、次は絶っっ対にっ!」何をだ?と思って首を傾げる俺に、彼女は「負けないから!テスト!」と、言い残して彼女は教室へ戻っていった。そうだった。昨日のテスト発表で、俺はあいつに勝った。あまり、気にしてはいなかったが、どうやら春は気にしていたようだった。「て、ことがあった。」と、優に聞かれたので話したら、「ライバルかー。いいね。」いや、どこがだよ、。てか、そんなことは置いといて、なぜ優はあー!、と叫んだのだろうか?聞いてみるとしよう。「そういえば優、お前なんでさっき、あー!て言ったんだ?」そういうと優は、「いや、学校一の美少女の春ちゃんがいたからさあ。狙ってんだ。可愛いし優しいし。」あー。これ、優のファンクラブの女子が知ったら、いくら学校の美少女でも、あの女子達はいじめることだろう。それか、応援するか。まぁ、俺はお似合いだと思うんだけどな。学校一の美少年って言われてる優と学校一の美少女の春。 俺以外にもきっとこの2人がお似合いだと思ってる奴は少なくないと思う。あの優のストーカーファン達の中にも一人くらいは。