シマの北部と言うと少し距離がある



(·····1日では、戻って来れない、か)




ただ、結愛の体調が不安定の今
あまり離れたくない、というのは本音だった



入院していれば遥太たちの目があるからいいのだが
前みたいに家で1人にさせておくと
ロクなことがない··········



まあ、毎日学校帰りに吸入しに病院に来るんだ
その時に遥太の診察を受けさせよう、



俺は冷たくて重い非常階段の扉を開け、
その場を後にした



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「結愛、入るぞ」

カシャッ


閉めてあったカーテンを開け
下に目を向ける



「·····何してるの?結愛」




そこには、休んでろと言ったのに
休んでない結愛の姿




ベットの上に三角座りをして
真剣に数学の教科書を見る姿




拍子抜けして出た俺の声が小さかったのか
結愛は俺が戻ったことには気がついていない様子




いや、さすがにこれは気がついてくれ、




「結愛」




先程よりも少しだけ圧のある声で声をかける





結愛「っわっ、、!


びっくりした、、、


ごめんなさい、気が付かなくて、。


戻ってたんですね、おかえりなさい、」