「おはようございます、龍太さん」
龍太「おはよう
ずいぶん朝早いな、ちゃんと寝たのか?」
その美しい顔面の眉間に1本のシワを増やして、
龍太さんは私の顔を覗き込んだ
(朝からこの美しさはもはや犯罪……)
龍太さんの姿に思わず見とれてしまう
龍太「……まだぼうっとしてるな
まだ時間あるからもう少し寝てこい
それとも体調良くないか?」
そう言われてはっと我にかえる
「あ、いえ!
元気ですっ!
ちょっと早く起きすぎたので二度寝してきますね!」
朝から龍太さんの顔を近づけられて
何となく悪いことをしている気がしたから逃げるように部屋に戻る
「はぁ…はぁ……」
バクバクとうるさい心臓を落ち着けるために
勢いよく閉めたドアに背を預けて深呼吸する
「……あの美貌にはどうしても慣れないわ……」
呼吸を落ち着けて勉強机につく
数日学校を休んでしまったし、
二度寝する気になれなかった
昨日の夜に龍太さんに取り上げられた数学の続きに手をつけようと教科書を開く
ノートを開きシャーペンを持って
私は問題を進めた

