その綺麗な白い手には聴診器
龍太「結愛、音聞かせて」
「…え、
いや、私、今本当に元気です、本当に、、、」
龍太「それは俺が決めるから」
薄いパジャマの上から有無を言わさず、龍太さんは聴診器をあてた
龍太「深呼吸して…」
もう言われた通りにするしかない
何度か深呼吸を繰り返す
龍太「うん、いいよ
そうだね、心音は落ち着いてきたね」
聴診器を外しながら何かを考えているような顔をしている
私は「でしょ?」という顔で龍太さんを見上げる
龍太「何その得意げな顔」
龍太さんに頬を軽くつねられた
龍太「俺は"心音は"って言ったんだ
意味、わかるな?」
龍太さんは喘息の方のこと、たぶん言ってる、、、
「…………でも、元気です……
…だから、学校は…………」
龍太「身体はまだ本調子じゃない
結愛の場合、熱が下がったからいいって問題じゃないんだ」
「………それじゃ、学校は……」
龍太「もうちょい家でゆっくりしてろ
無理に行かなくていい」
無理なんかじゃない、、、
その言葉は必死に飲み込んだ

