身体を伸ばしながら結愛ちゃんの様子を見に行こうと立ち上がると、控えめにリビングのドアが開かれた




少し顔色が良くなった彼女が顔を覗かせた





「驚いた、ここまで歩いて来るなんて…」




俺は驚きで一瞬固まったが、すぐに彼女の身体を支えるために近づいた





彼女が持っていた点滴の袋を受け取り、ふらつく身体を支えながらゆっくり彼女の身体をソファに座らせる




背中をソファの背もたれの預けさせて、俺は隣に座りながら手首で脈をとった




「気分はどう?よく歩けたね」





結愛「……だいぶ……いいです」




全然良くなさそうだ




「喋るのきついね…


俺が状態聞くから、その通りだったら手握ってね」





ぐったりとした彼女は小さく頷いた




「気持ち悪さはある?」




握られない





「頭痛い?」





握られない





「今呼吸苦しい?」




ほんの少しだけ握られた





「そかそか、ちょっと胸の音聞かせてね」






ポッケから聴診器を取り出し、服の下からあてた




(……徐脈が気になるな………




その上、音が弱い




……それから、肺もあまりいい音はしない)