寝たいのに寝られない…



電話がつながったままの龍太さんから急いでいる音が聞こえる





急いでもらってこんなこと言えないけど、もう30分待ってる感覚




とりあえず龍太さんに言われた通り深呼吸を繰り返して意識を保っていると、玄関が開けられる音と共にドタバタとした足音が部屋に近づいてきた




ガチャッ



扉が勢いよく開けられる



龍太「結愛!!!!」



名前を呼ばれるが、身体の向きを変える力すら残ってなかった



龍太「結愛、分かるか」



かぶっていた布団がはがされると一気に冷気に体が包まれた




龍太さんの問いに何とかうなずいて答える




龍太「熱いな」



私の額に触れた龍太さんはつぶやきそっと私の腕を握り脈を測っているようだった




龍太「胸の音聞くぞ」




素早く私の服の首元から聴診器を滑り込ませ、一点集中して音を聞いている




私は深呼吸を繰り返すが繰り返す度に針が刺されたような痛みが胸を襲う





龍太「結愛、大丈夫だからな

今から薬入れるから、そうすれば時期によくなる」




龍太さんは部屋を出ていったと思うと黒い鞄をもってすぐに戻ってきた