こんなところにいるのを龍太さんに見られたらまずい
そんな思考だけは働き、背中を床につけたまま足の力で自室に戻ることを目指す
しかしそれも力尽き、結局廊下で完全に動けなくなった
冷たい床が私の身体を侵食するが、それよりも身体が自分のものでは無いような感覚の方が気味が悪かった
自分ではこれ以上どうすることもできず、重い瞼を閉じるのが精一杯だった
心臓は別に苦しくない
でも止まってしまうのでは無いのかというくらいの静かさ
せめて携帯さえあれば、龍太や和也さんに連絡できるのに。
私は龍太さんに迷惑をかけることを想定しながら、再び意識を飛ばした
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身体の痛さに目を覚ました
意識を無くした時と場所は変わってなかった
(よかった…
龍太さんにバレなかった
廊下で寝てたら驚くもんね…)
身体を起こしてみる
(今日は動く…
よかった、学校に行ける)
昨夜のことが嘘かのように私の身体は復活していた

