ありがとうを、君に

「カフェオレしか飲んでないからお腹空かない?ご飯食べに行こうよ今から」


「そうだね、近くにお寿司屋さんあったよね!まだやってるかなあ」


そんな会話をしながら、ふとテーブルを見ると。

玲香の忘れ物らしき、小さなピンキーリングがあった。

それを手に取ろうとした瞬間、楓人くんも同じタイミングで手を伸ばしてきたから。


「あっ…」


お互いピンキーリングを取ろうとしただけなのに、手を握り合う形に偶然なってしまった。

なぜか、すぐには離さずしばらくそのまま見つめ合い、奇妙な甘い沈黙が訪れた。


「…………」


カランカランッ


お店の扉が開く音にお互いハッ、と我に返り、すぐに手を離した。


「ごめん!そこに私の指輪なかった??」


「れ、玲香!そうこれ今ちょうど見つけてどうしようかと…!」