▪️2月6日▪️
side美奈
「やっと終わったー!」

部活の後に職員室にこいと担任に言われたので、日向と別れ職員室に行くと担任から教材室の片付けを命じられた。

教材室は普段使われていないだけあって埃だらけで、いつ使われていたかもわからない古い教科書や日焼けしたプリントでいっぱいだった。

こんなことを私に頼んだ担任を恨みながらも早く終わらせるべくテキパキと片付けをし、ようやく今終わったところだ。

埃臭かった教材室を出ることができ清正していると、そこに日向と湊くんの姿があった。私は罪悪感を感じながらも急いで物陰に身を潜め、2人の様子を見送った。

やっぱり2人が揃うと絵になるなぁ、と思いチクっとした胸を押さえていると

「日向、バレンタインチョコのことを考えてたの?
そんなに悩むほど作るのなかったらガトーショコラ作ってよ。
俺凄いガトーショコラ好きなんだよね。
日向が作ったガトーショコラ食べたい!」

という声が聞こえた。どうやら、バレンタインの話をしていたようだった。

ちなみに私は湊くんのことが好きで、バレンタインの日に告白しようと思っている。日向は湊くんのことが好きで湊くんも日向のことが好き。だから、告白しても何も起こらないってわかっている。けど日に日に親しく、甘い雰囲気になっていく彼らを見ると自分の気持ちを押さえきれなくなってきた。

2人は私の気持ちに気づいていないし、どちらも私にとって大切な人だから今まで告白しなかったけど自分が前に進むためにも今年こそは潔く告白して振られようと思う。

日向、湊くんのことは諦める。だから最後に一つだけ意地悪させてね。