「日向、話があるから少しこっちにきなさい。」

家に帰ってきてすぐにお母さんが真剣な顔をして話しかけてきた。
もしかしておじいちゃんがまたギックリ腰にでもなったのかな？と心配してお母さんを見ると、私の思考を読み取ったかのように

「誰かが、病気になったとかそういう話ではないのよ。」

と言った。これ以上真剣な話なんて身に覚えのないことだったから、不思議に思いながらもお母さんの向かいの席に座った。

重苦しい雰囲気が漂い、それからしばらくするとお母さんが話始めた。

「実は、今勤務している会社のオフィスとは違う海外で仕事をすることになったの。
おじいちゃんに迷惑かけるわけにもいかないし、あなたには私と一緒に着いてきてもらうわ。突然のことでごめんなさい。
あと1ヶ月はこっちで過ごせると思うから仲のいい友達と目いっぱい楽しんでね。」

え…転勤？

私も一緒って…もうみーくんに会えないの？

「ねぇ、お母さん...？
もし転勤してから日本に帰ってくるとしたらいつになるの...？」

「そうねぇ、4年くらいかしら？」

「そんなに⁉
ねぇお母さん、みーくんには私から海外に行くっていうから言わないでね...」

4年も日本を離れるなんて…

寂しいけど私もいい加減みーくん離れ、しなきゃね…

とりあえず明日みーくんに告白してバッサリ振ってもらおう。