「仲間」
そう俺が言ったら佐々木さんは目を大きくさせて、満面の笑みで
「そっか!ナツ君の仲間ね!あっ、ドリンク何がいい?ジンジャーエールと、ウーロン茶と、ジャスミンティーとかもある!」
ドリンクと席の説明やらをして裏に戻っていった。…師匠のところにでも報告に行ったのだろう。あの人は何かあるごとに師匠のところに報告に行くからな。
ひと段落したあと、みんなで観客席に移った。今日見るのはバンド4組。
最初は「クロス」さん。
3ピースバンドでMidnightだけでなく、路上ライブもしているアマチュアバンド。コラボはしたことないけれど、俺を店で見かけると声をかけてくれる。
「ここのベースの人、上手いからよく見てて。」
「わかった。」
ベースは曲の低音域を支える縁の下の力持ち。ベースがあるのとないのでは曲の安定感、締まり具合、重さが全く違う。
ベースの基礎が仕上がればソロパートやコード演奏も担うことができる。だから怜斗にはもう少し頑張ってもらわないと。
「すごい…」
隣には夢中になってステージを見ている怜斗の姿。目ェ、キラッキラ。
涼も恭弥も同じだ。恭弥なんか途中から動画も取り始めた。
今日のバンドは随分と豪華だな。新規さんもいる。あっという間に時間が過ぎていた。このくらいかな。
「そろそろ行こう。」
俺はそう声をかけた。
時間的にも帰らないといけない。みんなで席をたち出入口に向かった。
「ナツ。」
