「………え、涼,…え…、」
「うん。俺も今日気づいた。」
「おいおいマジかよ…」
「女子ッッッッッ⁉︎⁈⁉︎」
怜斗は如月くん…いや、正しくは如月さん,夏樹さん?夏樹ちゃん?ああ、もうわけわからん。
透明感のあるアッシュブラウンの髪,切れ長の目,ギターを弾いている細い指。
俺らの目の前にいるのはどう見てもあの如月夏樹。でも…
スカート履いてる。
俺らがずっと男だと思っていた如月くんは女子だった。
朝びっくりしすぎて教科書を全部床にぶちまけた。
だだだ、だって「俺」って言ってたよ?
言葉遣い,完全に男子だったよ?
俺,覚えてるよ?
毎回毎回保健室来やがって。ウゼェんだよ。消えろよ。ってさ?
隣の怜斗は口をポカンと開けて固まっている。
「何か悪い?」
如月さんがツンッと言う。
「おい、恭弥は知ってたのかよ⁈」
「まぁ、3回目に会ったときくらいから何となく。」
だからこんな平然としてるのかよ。
「何で教えてくれなかったんですか⁈」
夏樹の隣にいた風間さんたちに焦って聞く。すると風間さんは笑いながら答えた。
「だってその方が面白いかなって(笑)」
「やっぱりこうなったね〜www」
「彩音〜?どしたん?」
「多賀くんたちが夏樹のことずっと男子だと思ってたんだってさー」
「マジぃ?確かに夏樹ちゃんかっこいいからね〜」
ええ〜…
「ほら,スカート。履いてるでしょ?」
如月さんがスカートの裾をヒラヒラさせて言う。えぇ、ずっと男だと思ってたのに。
「とりあえず落ち着いてよ(笑)」
風間さんも笑いながら言う。
あ,大事なこと忘れてた。
「今日さ、ー」
軽音楽来る?って聞こうとしたけど,タイミング悪く,3人して行ってしまった。
あ〜言いそびれた…。
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「よし,じゃあ始めっか。」
「結局来なかったな。」
「帰りのHRの後聞こうとしたんだけど,気づいたらいなくなってた。」
「はぁ〜〜。俺らでひっそりやるかぁ。」
ガラッ…
「「「⁉︎」」」」
ゆっくり扉を開けて入って来たのは、
「如月さん⁈」
ゆっくりとこちらに近づいてくる。
「…る。」
何かブツブツと呟いた。
「へ?」
「だから…入る。その、軽音楽。」
ついに待っていた言葉を聞いて,感情がブチ上がった。
「「よっしゃゃゃアアアアイーーー‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」」
喜びすぎて恭弥にぶたれたのはまた別の話。
