(続編)ありきたりな恋の話ですが、忘れられない恋です[出産・育児編]


ポケットに入れてる電話で先生を呼びだし、すぐに先生が診察に訪れた。

「うーん。予想より早く開きましたね。分娩室準備できてる?」

「はい」

看護師さんと足元での会話。

とても居た堪れない格好でいる私としては、普段だったら恥ずかしさで耐えられないが、もう、そんなこと気にもならないぐらい、痛みが羞恥心を超えていた。

看護師がロックを外すと、ベッドがストレッチャーになり、そのまま分娩室に移動。

その際、晶斗がビニール袋を持ってやっと現れた。

「遅い」

呑気な晶斗に、もう、八つ当たりだ。

「どうしたんですか?」

「海堂さん、分娩に入ります」

「…僕も」

一緒にそのまま分娩室に入ろうとするが、止められていた。

「そのままは困ります。服の上からこれを着用してください」

ビニールの防護服を着せさせられていた。

痛みに耐えられなく、のたうち回る私の手を握り、頑張れ頑張れと言い、泣きそうになっている。

泣きたいのはこっちだ。

手なんて握ってないで、腰を摩ってほしい。

「旦那さんは、奥さんの腰を撫でて痛みを和らげてあげてください」

あまりの晶斗の頼りなさに、看護師さんからのアドバイス。

摩ってくれるけど、違うし…