通学路を歩き始めると、自分の前に懐かしい姿が見えた。
「かーおり!」
「うわっ!ビックリした…もうちょい落ち着こうよぉ」
「落ち着けないよー!」
久しぶりに香織に会ったし、なにより夏休みが終わった。
2人で並んで歩き、話をした。
「そういえば、あの後どうなったんだろうね。」
「え?」
「ほら、翔。後…隼人さんも。翔に引っ張られて出ていったじゃん?」
「あー…」
香織の声を聞き流しながら俯いてしまった。
翔は、絶対に会えると言ってくれたが、あの後からは1度も見ていない。
「ちょっと成美聞いてる?」
「…、え?な、なに?」
「もう…まーた翔のこと考えてたんだね。」
優しく笑って自分の肩に手を置いている。
「あーあ。私も発展しないかなぁ」
何か言おうと思ったけど、それを忘れるほど香織の顔を見つめてしまった。
「なに?」
ははっと笑ってそのまま雑談を続けていた。