4人とも食事を終え、手を小さく合わせた。

「美味しかった。じゃあ、出よっか?」

香織に声をかけた時、横の席から声が聞こえた。

「あ、ちょっと待ってや。」

「どうしたんですか?」

「いやぁ、4人で遊ばんかなっと思って!ほらー、幼馴染再開したし、3人とも…フグッ」

翔が隼人の背中を叩き、呆れたように息を吐いている。

「痛たた…なんやねん翔!先輩やぞ?」

「先輩、僕もう帰らなきゃ行けないって言いましたよね?準備もあるし。」

準備…帰る準備かな?

でも、引っ越すって言ってたし…

(でも、ウチからここまでは遠いけど、ここで待ち合わせってことは家はこの辺かな。)

そっか…もう、会えないのかな…

「あ、そ、そうやったわ。ごめんな2人とも」

「全然大丈夫です」

香織が微笑んで「成美行こっか」と尋ねてきたけれど、俯きながら翔に近づいた。

「翔ちゃん…もう、会えないの?」

「え?」

「会えない…?やだ…そんなの…!」

顔をあげて改めて聞くと、翔は驚いていた。

だが、直ぐに口角をあげてふっと笑った。

「会えるよ、絶対。」

「……ほんと?」

「ホント。約束するから。またね」

サヨナラではなくまたね。

また会える。

翔の言葉を信じて、明日も頑張ってみようかな、と思えた。