またキミと出会う時、


「よう席分かったなー」

「先輩どこでも入口の対角線にいるじゃないですか。」

そう言いながら近付いてきたその人は…

「あ、この子達今日知り合ったんだぜ。お前と同級生!やっぱ俺モテモ……」

「はいはい……、こんにちは」

隼人の声を遮り、ぺこりと頭だけを下げ、名前を発した。

「俺、流川 翔です、先輩がお世話になりました。すいません。」

「いえいえ、全然…むしろこっちが…ねぇ!」

香織が成美を見つめたが、成美は口を開けて微動だにしない。

「え、ねぇ、成美?大丈夫?見とれてんの?」

香織は笑っているが、それどころではない。

「翔…ちゃん」

やっと出た一言で、今までにないほどの静けさが、カフェに響き渡った。