そんなことを思っていると、心の中にはドス黒いものがどんどん溜まっていってどんどん不安になり抑えられるものが抑えきれなくなってきそうで、私は慌ててスカートのポケットの中からカッターを取り出した。そして、指先を切る。何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も、指先を切った。もう、痛さとか辛さとか感じなくなってきた。指から滴り落ちる辰砂のように輝きながら落ちていく血を見て、少しだけ落ち着いた。
持っていたポケットティッシュで血を拭き絆創膏をしてまた、弁当箱に手を伸ばす。
アスパラガスのベーコン巻きを口に運ぶが味がしない。粘土を永遠と噛んでいるようだ。
友達がいたら、もっと美味しく感じられたのだろうか。そんなことを思いながらも食べ進め弁当箱がからになった頃に時計を見ると、もう少しで昼休みが終わろうとしていた。
憂鬱だ、あの教室に帰らないといけないのか。そんな私の思いが誰かに伝わる訳でもなく、ただただ時間は進んでいく。