いつからだろう、自分を傷つけて安心感を覚えるようになったのは。足元にある紅く色付いた落ち葉を見て自分の心に問いかけた。

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昼休み、1人で裏庭に埋まっている木の下にいる。なんの種類でなんの気かも分からないが私の居場所はここになっていた。昼食を取ろうと持ってきていた弁当箱に目をかける。昔の人が使ってそうな巾着袋の中には、可愛いお弁当箱が出てくる。どうせなら、巾着袋も可愛くしてくれよ、そんなことを思いながら弁当箱の蓋を開ける。そこには色とりどりのおかずが詰め込まれている。ブロッコリー、トマト、アスパラガスのベーコン巻き、ほうれん草入りの卵焼き、そして白米の上にはごま塩が乗っている。
こんなに手の込んだものをお母さんは作ってくれているのに、食べる時は1人で感謝の気持ちしか表すことしか出来ない。誰かと笑いながら食べたりとか、『美味しい』と思って欲しいとお母さんは思っているけど、ごめんお母さん、どれも今の私には当てはまらない。
お母さんには、1人で食べているということは伝えていない。むしろ、この状況すらもお母さんは、家族は知らない。この状況を知られたくない。恥ずかしさと心配をかけたくないということから、家族には黙っていた。娘が『虐められている』なんてことを聞いたらきっと悲しむし、失望される。そんなの絶対嫌だった。