僕は、紫恩から離れると紫恩と目を合わした。紫恩は、悲しそうに微笑む。

「それでも、詩や小説を書くことが止めれなくて……僕の書いた詩や小説を誰かに読まれて、笑われて……下手だとか、つまらないとか言われたよ……そんな日々を繰り返すうちに、周りから『つまらない奴』って思われてしまって、誰も僕に近づかなくなったんだ……もともと友達が少なかったのもあるかもしれないけど……ほとんど家にいない両親に気付かれたくなくて、気が付けば僕は笑顔を取り繕うようになっていたんだ」

「……そっか……」

「笑顔を取り繕って、やっと出来た友達が静弥たちなんだ……僕は、嫌われたくないんだよ。誰にも……嫌われるのが怖い。もう死にたいくらい辛いんだ……」

紫恩の瞳から、涙が零れ落ちた。僕は、もう一度紫恩を抱き締める。

「大丈夫だよ。僕は、紫恩を嫌ったりなんかしないから……」

僕の言葉に、紫恩は泣き崩れた。