「……これは?」

僕が髪飾りを見つめてると、誰かが僕の目の前に現れたような気がして僕は顔を上げた。そこには僕に背を向けた状態で、黒いローブを着た黒髪の子が立ってる。

「説明は後でする。その髪飾りを付けて、今君が持ってるその本の書き出しを言うんだ!」

僕の方を見て、男の子は言う。赤い目に、横髪に入ってる赤いメッシュが特徴の男の子。

「……分かりました……」

男の子の言葉に、僕は髪飾りを付けるとこの本の書き出しを思い出した。

「……僕の心は、いつだって灰色だった」

僕が呟くと、僕の目の前が光に包まれる。あまりにも眩しくて目を閉じたけど、その光はすぐに消えた。

僕が目を開けると、怪物と赤目の男の子は僕を見つめてる。僕が服装を確認してみると、制服の上から装飾品の付いたローブを着ていた。

「……っ!」

僕の目の前に、青い炎が揺らめく大きな筆?が現れる。僕は、それを手に持った。

「……俺を守ってくれるのは、自分自身だけだった」

赤い炎が揺らめく筆を握り直した赤目の男の子がそう言った瞬間、男の子の目の前に半透明の赤色の盾が現れる。

その盾に怪物の攻撃がぶつかって、怪物は吹き飛んだ。そして、盾は「守」という文字に変わると消えていく。