不思議な図書館の魔法~僕らは物書き~

「うん。私たち、物書きしか出入り出来ないあの図書館は、裏図書館って呼ばれてるんだ」

「……そっか」

僕は、そう呟くと優花と一緒に裏図書館を目指した。



裏図書館に着いた僕は、玲と優花にさっきまでの出来事を話す。

「……」

図書館に、重い空気が流れているように感じた。

「……芽吹いては儚く消える命かな」

パタンと本を閉じる音が聞こえてきて、僕は辺りを見渡す。僕らの近くに、毛先に紫のグラデーションがかかった黒髪の男の子が立っていた。紫の瞳が、僕を捉える。

「……初めまして。僕は、島崎 紫恩(しまざき しおん)。18歳だよ」

「同級生か……」

紫恩は、僕に近づくと怪しげに笑った。僕らは、紫恩に自己紹介をする。

「……ごめん。僕……君たちの話、全部聞いてた」

本を小脇に抱えながら、紫恩は僕を見た。紫恩は、涼しげな笑顔を浮かべてる。

「僕は、何か理由があって静弥を捨てたんだと思う。静弥の話を聞く限り、両親との仲は良いみたいだから」

「紫恩もそう思う?母さんも父さんも……無表情だったけど……どこか辛そうにしてたから……」

「無表情だったけど、辛そうにしてた……?」

玲が、僕の言葉に首を傾げた。