名はなんとなやしろ、不浄名は低であった。その僧安馳せたるや金髪、美男のクニタチ男であった。
 死んでから五億年経つー、その瞳の光も、また金色をして仰た。泣く事には十の頃、しろ低は、恋をしていたー。
 しろー?そう泣きじゃくった夜があった。彼の神格はただの小さなクモ、一切無思慮と慮る事無かった。
 泣く事も出来ない、人に恋をすると殺されて仕舞うミタマだと僧侶に仰せ使った。相手は、碌と名乗った。
 もう、戻れないくらいに泣いた。低とは死んでからの名前でー、そう前置きを致した。花やら人やらいますけれども、俺の名はしろ、幼児名はしでしたー。
 昔、まだ争いが絶えなかったと言いますー。太陽と同じ教えがありましたー。それは、初めて極楽に至れた頃。
 思えばー、まだ、南無妙すら誰も知らなかった頃の僧安、しろ低です。碌、碌ー?朝起きたら日はまだ翳りを覚え、碌は死んでいた。しろ低なんかとはいたくなかった。
 そう書き残してあったー。端に愛している。あんたより早くに死んで、あんたより神だと言われたい、そう遺してあった。
 泣いたしろ低は後を追った。何と会えなかった。碌は女のミタマで若かった。同性を求められた。
 しろ低は男で二十歳、此方も同性を求められた。畜生ー!やっと永遠に愛し合える、愛していると言える筈だったのにー!如が見ていた。思う通りに行くと思ったか下卑。
 あんたら二人には大因業があるよ。毎度偉そうに結ばれようとしやがって。
 全員の神仏が敵だわ。このー!泣いて、叶わずも百年で死に消えた二人。
 小さな虫ころになり、永遠に時々擦れ違う事になったそうだ。
 虫のミタマはそう言った因業が多く、報われない美貌覇者に多いそうだ。
 碌は茶髪茶色の目をしていた。同じて美男であった。
 背は双方高く、憧れた人の数百、更に因業を致した。誰も見んわ、白い蜘蛛の事なんぞ。茶のコガネの事なんぞ。
 なあ、なあ?しろ低の一日、短い虫生から二人。なーんか、格好良いなあ!