学校の門を出たところで
腕を掴まれた。

え⁉ 誰⁉

「頼夏《らいか》さん、
突然すみません」

この声は美空《みく》の恋人の
蒼空《そら》君⁉

連れてこられたのは
駅前の喫茶店。

向かい合って座っている僕達。

『それで、今日はどうしたの?』

美空と喧嘩でもして
僕に仲裁してほしいとかかな?

「実はですね、俺、
頼夏さんを好きになってしまったんです‼」

はぁぁぁ⁉

これは予想外だ。

そして、想像すらしてなかった。

まさか、妹の彼氏に告白されるとは……

僕は家に帰って、どんな顔で
美空と話せばいいんだよ。

『ごめん、突然過ぎて
すぐには答えられない』

って、僕のバカ~‼

そこは、きっぱり断るとこだろう‼

「ですよね……

わかりました、一ヶ月後に
返事を聞かせてください」

一ヶ月後ねぇ(苦笑)

ん?

僕に告白してきたるけど
美空とは別れたのか?

『一つ、確認なんだけど
美空とは別れたの?』

「はい。

頼夏さんとは言いませんでしたが
好きな人ができたから
別れてほしいと言ったら
苦笑いしながら了承してくれました」

美空、落ち込んでないかな。

「多分ですけど、美空は
俺の好きな人が誰か
気付いていると思います」

ますます、帰りずらいな。

『わかった。

また、一ヶ月後にね』

僕はトレイを持って席を立ち、
先に喫茶店を出た。