「あ」
「真央梨」
「見つけた」
「は」
私の言葉にぽかんとしている春斗。
「はい、ここ入るよ」
そんな春斗を無視して腕をぐいっと引っ張ると、私は空き教室に彼を強引に入れた。
「ちょ、真央梨」
珍しく慌てている春斗に向かって、私は一言。
「春斗、好きだよ」
そう伝えた。
シンプルで、でも私の気持ちが全てこもった言葉。
色々言おうとしたけれど、これが一番いいと思った。
春斗は目を瞠って、息を飲んでいた。
それから自分の髪の毛をぐしゃっとして、
「……はっ、はは。まじでやられた」
そう漏らす。それから、ぐいっと私の腕を引くと顎に手を添えそのまま私の唇を強引に奪った。
「っ!?」
急すぎて声が出なかった。
な、な? 今、キスした? え。まって。
頭が真っ白になっていると、春斗は今度はゆっくりと私の唇に自分の唇を重ねた。
そっと唇を離すと、春斗が口を開く。



