私は手をぶんぶんっと振って、それを拒否する。
誰がこんな私のメイド姿を見たいんだよ! 昨日は制服で今日はメイドだって? 無理に決まっている。

学生だから可愛いのに、私がやったら痛いだけだよ!!

絶対にやらないからね! こうなったら逃げてやる!


私は踵を返すと、ダッシュして教室から飛び出した。


「あっ! 逃げた!」


そんな声が背後から聞こえますが、気にしません。
絶対に私は着ません。


そして、来年は教師権限を使わない様にしようと心の中で誓った。


そうして、逃げ込んだ教室の先にいたのは。




――――――春斗だった。



空き教室だと思ったのに!
扉を後ろ手で閉めてる私に、目を真ん丸にして驚いている春斗。