目を閉じても、浮かんでくるのは春斗の顔。
私のことを好きだっていう春斗。怒ったり笑ったり忙しい。


こんなに春斗のせいで心を乱しているのに、勝手に距離を取るだなんて言うな。酷すぎるでしょ。


私の気持ち、考えなさ過ぎたっていうけど距離を取るのだってそうだ。
振り回されすぎだよ。

久住君のことも、春斗のことも、今は考えたくなかった。
何も考えずに眠りたかった。


きっと無理だろうけど。わかっていた。


さっきまで掴まれた腕が痛かったのに、今は。……今は。


――――――――――胸が痛い。