「手かして。」

「ん?手??」


彼女が小ぎれいにネイルしてある細い手を俺にむける。


「・・・・・・・・・。」

「・・・・???」


俺はスウェットのポケットから細いダイヤの着いたリングを出し彼女の指につける。


「えぇーーーーーなにこれ・・・。」

「結婚・・・しよか。」


彼女の目が大きく開く。その眼に涙がうかんできている。


「昌悟にな聞いた。」

「・・・・・・・ッ・・・・・・。」

「いろは・・・やっぱはるかの事考えてしまうって、自分だけが幸せになっていいんかって」

「・・・・・ッ・・・・」

「・・・・・・・・・待たせて・・・ごめんな。」

「・・・・・・・・・・・。」


彼女が首を横にふる。


「俺、ここで誓うわ、神様とかじゃなくて、お前に誓うから。」

「・・・・・・・・・・。」

「病めるときも健やかな時も一生あなたを愛することを誓います。」

「・・・・・・・・・ふふッ」


彼女がにやけた顔で少し笑った。


「何わろてんじゃ笑」

「ご・・・ごめん。」

「俺はお前が好きじゃけ、ずっとそばにおってほしい。」

「・・・・・・・・・・。」

「結婚してくれる?」

「・・・・・・・うん・・・。」


その時彼女が笑った。

笑った目には涙がひかっていた。

左の薬指と同じぐらい綺麗にひかってた。