「お前が前世でどんな人生を歩んできたのか、ちゃんと知っているぞ。哀れだなぁ。親からは疎まれ、誰を信じることもできず、やっと自分を見てくれる人が現れたと思ったら手のひらを返され、最期は自ら命を絶った」

リオンたちの目が見開いていく。嫌だ、言わないで……。そう叫びたいのに、体が震えるだけで何もできない。

「先生……」

消えていくようなエリカの小さな声が耳に聞こえる。ああ、エリカに知られたくなかった。こんな僕のずっとずっと昔のことなんて。好きな人に知られたくなんて、なかった……。

「やっと幸せに慣れたと思っているんだろ?そんなもの、間違いだ。お前は永遠に幸せになんて慣れない。一生、誰かに裏切られて苦しんで生きていくんだ!愚かなお前にお似合いの末路さ」

オズワルドさんの言葉が突き刺さっていく。痛い。痛くてたまらない。これなら、物の怪に体を傷付けられた方がずっといい。

どうして、リオンたちは何も言わないんだろう。普通、家族がこんなことを言われていたら怒ったりするんじゃないのかな……。