(今のところ、問題なし……か)

そう思いながら、アルミンは机に紅茶の入ったマグカップを置いた。

「……しかし、レイモンドくんもフィオナくんもエヴァンくんも説明上手いな……」

画面に映っているのは、生徒に熱心に勉強を教えているフィオナとレイモンドの姿。カメラを持っているエヴァンもまた、数学を教えている。

ちらりとカメラに移る数学の問題を見て、アルミンは「……難しそうだな」と1人呟いた。



「疲れた……」

職員室にある椅子に座って、エヴァンは体をぐっと伸ばす。

「お疲れ様。フィオナちゃん、エヴァンくん」

椅子に座るフィオナとエヴァンに、レイモンドはコーヒーを渡した。2人は、コーヒーを受け取ると「ありがとうございます」と言う。

笑顔のエヴァンと無表情のフィオナを交互に見つめた後、レイモンドも椅子に座った。

「……まだ始まったばかりなのに、もう疲れたんだけど……」

「仕方ないよ。自習だったんだから……」

「そうだね……まぁ、次の授業まで時間あるし……」

レイモンドは時計を見上げた後、無言で立ち上がった。そして、薬物事件について職員室にいる教師たちに聞いていく。

「……すみません」

レイモンドは、職員室に入ってきた男性の教師に話しかけた。