それがきっかけでうつ病になってしまったレイモンドは精神科を受診することになり、そこでカウンセラーをしていたアルミンと出会う。

アルミンのおかげでレイモンドは前を向くことが出来、人の心を救いたいと精神科医になったのだ。

「……先生、会いたかった……」

アルミンに頭を撫でられながら、レイモンドは誰にも聞こえないように呟いた。



「……それで、何で僕まで?」

町でエリート校と呼ばれる学校の正門前で、校舎を見上げたエヴァンは隣にいるレイモンドに問いかける。

「……何かあった時のためです。エヴァンは、見た目以上に強いですから」

エヴァンの隣で、フィオナが学校を見上げながら呟いた。

アルミンに協力してもらうことになったフィオナたちは、特殊能力を使いながら調査を始めた。そこで、この学校で薬物事件が一番起こっていることを知り、臨時講師として学校に潜入することになったのだ。

「……そうだね。その時は頼んだよ……エヴァンくん」

フィオナとレイモンドの言葉に、エヴァンは苦笑した。



服の中にカメラを隠したエヴァンたちの様子を、リアルタイムで見ていたアルミンは、サルビアのいれた紅茶に口を付ける。