「……これ、さっきのニュースでやってた……」

紙に書かれた内容を読んだ獣医を目指す大学生、エヴァン・カランコエはそう呟く。

「そう。未成年者が薬物所持していたり、使用する事件を調査してほしいんだって。レイモンドが事件で逮捕された人に話を聞きに行ってくれたんだけど、黙ったままか精神に異常をきたしている状態で……そこで、心理学者に協力してもらうことになったんだ……もうすぐ来ると思うんだけど……」

サルビアがそう言うと、家のチャイムが鳴った。しばらくすると、部屋のドアが開いてシオンとグレーの髪に紫目の男性が姿を見せる。

「……初めまして。私は、精神科医であり心理学者のアルミン・アキメネスと言います」

アルミンと名乗った男性の姿を見て、レイモンドは目を見開いた。

「……先生……」

レイモンドは、目に涙を溜めるとアルミンを見つめる。アルミンは、レイモンドを見ると「……君は、レイモンドくん……」と微笑んだ。

「先生!」

レイモンドは、涙を流しながらアルミンに抱き着く。アルミンは、そんなレイモンドの頭を微笑みながら優しく撫でた。

レイモンドの頭に、昔の記憶が蘇る。レイモンドは幼い頃、仲違いから両親は離婚してしまった。