罰恋リフレイン


膝上の手を返して蒼くんの指と私の指を絡める。

「嘘をつかれて悲しかった。また同じようなことをしたら怒るから」

「怒るだけ? 別れない?」

「時と場合によるかも。もう蒼くんとケンカするの疲れた」

正直な気持ちを言うと蒼くんは「じゃあ頑張るよ」と力強く答える。

「俺は何度薫が離れても追いかける。迷惑に思われても諦めない。ずっと証明していく」

「ずっと?」

首を傾げると蒼くんは熱を込めた視線で私を見上げる。

「俺と結婚を前提に付き合ってください」

「っ……」

意外な告白に言葉を失う。

「全部俺が薫の最初で最後になりたい。薫の初めての彼氏で、ファーストキスもそれ以上も、全部俺だけのものにしたい」

再び視界が涙で霞む。
何年も私を好きでいてくれて、傷つけても諦めない蒼くんの気持ちが重たくて嬉しい。

「薫の返事を聞きたい」

まばたきすると涙が頬を伝い視界がクリアになる。目の前には真剣な顔をして私の答えを待つ蒼くんがいる。

「私だってずっと証明していく。もう蒼くんを諦めない」

私の答えに蒼くんは照れたように笑った。目は私に負けないくらいに潤んでいる。

「罰ゲームの相手が薫で良かった。嘘の告白をしてよかった」

「私たち……今日からまたやり直しのやり直しだね」

「じゃあ初めてのキスのやり直しをしてもいい?」

照れながら頷くと蒼くんは私と目線を合わせゆっくりと顔を近づける。
自然と目を閉じると柔らかいものが触れる。
何度か唇を重ねたはずなのに、今日は一段と気持ちが昂る。

ビニール傘に囲われても周りから丸見えなのに、この瞬間私と蒼くんだけしかいない世界になったような気がした。





END