「いたたた!」
叫ぶ男の耳元で、満は威圧的に聞こえるよう、わざと声を低くした。
「迷惑防止条例違反、軽犯罪法違反、相手が未成年ならば児童ポルノ規制法違反──これがあんたが犯した、罪状だ」
「……!」
もう一度繰り返そう。
満の仏顔は盗撮野郎に三度もないのだ。
男の悲鳴で集まってきた他の客に、満はショッピングモールの警備員を呼んでくるよう頼むと、こっそりと、和葉の画像だけ削除をした。
駆けつけた警備員に事情を説明し、無事に盗撮犯を引き渡すと、やっと和葉と合流することができた。
「みーちゃん、おそーい! 何してたの? 私もうお腹ペコペコだよ!」
「ごめんごめん、近くのトイレが故障中で、遠い方に行ってたから」
何も知らない和葉のとなりに、素知らぬ顔でならぶ。
「みーちゃんは何にする? 私はイチゴバナナにするけど」
「んー、じゃあ同じやつ」
「トッピングは?」
「いらないや」
「そこは冒険しようよ! 私、イチゴソースにチョコチップ!」
まさか自分が被害に遭っていたとは知らない和葉は、無邪気にクレープを注文した。
それを満はただ、目を細めて仏の顔で見つめていたのだった。
叫ぶ男の耳元で、満は威圧的に聞こえるよう、わざと声を低くした。
「迷惑防止条例違反、軽犯罪法違反、相手が未成年ならば児童ポルノ規制法違反──これがあんたが犯した、罪状だ」
「……!」
もう一度繰り返そう。
満の仏顔は盗撮野郎に三度もないのだ。
男の悲鳴で集まってきた他の客に、満はショッピングモールの警備員を呼んでくるよう頼むと、こっそりと、和葉の画像だけ削除をした。
駆けつけた警備員に事情を説明し、無事に盗撮犯を引き渡すと、やっと和葉と合流することができた。
「みーちゃん、おそーい! 何してたの? 私もうお腹ペコペコだよ!」
「ごめんごめん、近くのトイレが故障中で、遠い方に行ってたから」
何も知らない和葉のとなりに、素知らぬ顔でならぶ。
「みーちゃんは何にする? 私はイチゴバナナにするけど」
「んー、じゃあ同じやつ」
「トッピングは?」
「いらないや」
「そこは冒険しようよ! 私、イチゴソースにチョコチップ!」
まさか自分が被害に遭っていたとは知らない和葉は、無邪気にクレープを注文した。
それを満はただ、目を細めて仏の顔で見つめていたのだった。
