「タバコもってねぇ?」 隣の席の哲太ことてっちゃんが頬杖をつきながら話しかけてくる。 「ライターならある」 机の上に鏡を置き、マスカラを塗っている私。 「なんで吸わねぇのに火だけ持ってんだよ」 なんでって言われても… 「(ビューラー)炙るから」 「は?」 頭にハテナマークを思い浮かべているであろうてっちゃんに、まつ毛上げたいからビューラー炙るために持ってるのって言っても通じないと思う。