「み、宮川!!」
「え、なんでそんなに驚いてるんですか」
「あんた、何でここに!!」
「いや、先輩を待ってたんですけど」

はて?と私は首をかしげる。

「まさか、先輩忘れてたんですか?約束」
「・・・・・・・・・約束?」
「一緒に帰ろうって言ったじゃないですか」
「あぁ!!」

私はポンッと手を打つ。すっかり忘れていた。

「てか、傘持ってないんですか?」
「そ、そうだけど・・・」
「ふーん」

宮川がにやりと笑う。

「じゃ、入ってきます?」
「な、なんでそうなるのよ!?」
「だって、濡れちゃいますよ?そのまんまじゃ」

宮川は傘をくるりと回す。まるで余裕とでも言うように。

「それとも、濡れたいんですか?ま、俺はその方がいいけど」
「は、入ります!!」

渋々傘の中に入る私。それを見て宮川は満足そうに笑うと、前を向いて歩き出す。

そういえばこいつ、意外と身長大きいんだなぁ。

ふっと思い、宮川の横顔を見上げる。

長いまつげ、ぱっちりとした目、男の子のくせになぜか女の子っぽい顔立ち。
あ、唇。やわらかそうだな・・・。
って、こんな事考えてるあたしって変態じゃん!!!Σ( ̄口 ̄;;
何考えてるのよ!!
おいおい!!しっかりしろ自分!!
ってか、これって相合い傘じゃん!!

いまさら気づく私。

「先輩」
「は、はいっ!!」