「店長に言っときます、その言葉」
「それより、この子は?」

裕美さんは宮川を指さしながら言う。

「え~と・・・こいつは・・・」
「今日から入った、宮川拓哉です。よろしくお願いします」

いつもとは違うようにする宮川。なんかむかつく(怒)

「へー!!かっこいいじゃない!!」
「ありがとうございます」

何よ、ネコかぶっちゃって!あ~、もうマジ腹立つわこいつ。

その時、「凛ちゃ~ん」という店長の声が聞こえる。
「そろそろ時間だから準備してくれる?」
「あ、はい。分かりました」

いつものように承知すると、横から宮川が不思議そうに聞いてくる。

「何ですか?準備って」
「あたしの本職」
「は?」

訳が分からないと言った顔の宮川を裕美さんに頼み、私は準備へと取りかかる。
マイクを持って、私は小さな台に上がる。
小さくて心地よい曲が流れると私は歌い出す。

「ah-♪・・・・・」

私がここで歌う曲は自分で作詞作曲する。日常で思う喜びや、怒り、悲しみや、不安などの感情をイメージしている。ただ、私の詩は暗すぎるため簡単には分からない英語にしてある;(いつも孤独な詩になっちゃうから;;)

「~♪・・・・」

歌が終わると、客から拍手が送られる。そして、このイベントが終わると、今日の仕事はこれでおしまい。
私は、「Thank you☆」とだけ言い残すと、そのままステージから下りる。

「へぇ、先輩けっこう上手いんですね」
「閉店するから片付けるわよ」

必要なことを言って私は客のコップを下げに行く。

「先輩、もしかして俺のこと嫌い?」
「うん」

あっさりと言う。

「最初に言ったでしょ?あんたみたいな奴嫌いだって」
「・・・」