カクテル

そう、そこにいたのは、『宮川 拓哉』だった。

「そうなの?凛ちゃん」
「え、いや、その、まぁ・・・・・」
「なら、話が早いわね。凛ちゃん、今日1日拓哉くんに仕事教えてちょうだい」
「え!?」

なに~!?

「ちょっと、待って下さいよ!!私嫌です!こいつに仕事教えるなんて。だいたい、私と同じ高校の人入れないでって言ったじゃないですか!何で入れるんですか!?」
「かっこいいから☆」
「理由になってません!!」

・・・忘れてた。この人面食いだったんだ。
だから顔良くても結婚出来ないんだよ!!(怒)

「でも、凛ちゃんしかやる人いないのよ~。他の人は他の人で忙しいし。ね?お願い☆」
「・・・・・・・・・分かりましたよ」
「ありがとう!蘭ちゃん!!」

店長が私に抱きつく。てか、酒臭っ!!この人、また飲んでたな・・・。

「じゃぁ、あとよろしくね!!」
そう言って店長は奥に消えていった。




「・・・で、これで仕事の説明は以上。何か質問は?」
「別に」
「じゃぁ、さっそくだけど店にでてもらうから、制服に着替えてもろうよ。サイズは?」
「L」
「Lあるかなぁ・・・」

控え室で説明するように言われた私は、店が始まっていても宮川に説明していた。

「ところで、なんで俺の名前知ってたんすか?」

まさか、今日まで知りませんでした、とは言えないよね。

「そりゃぁ、有名だからね。一応、名前ぐらいは知ってたよ」
「ふ~ん・・・」
「あんたこそ、なんであたしの名前知ってたの?」