レオは、しれっと失礼なことを普通に言う。

「ちょっと、何言ってんのよ」
「ただ・・・」
「ただ・・・?」
『ただ・・・?』

「少しだけだけど、昨日、姉さんから男物の香水の匂いがした」

にやりと笑いながらレオは言う。

「なっ!?」

私はレオから急いで電話を取り返す。

『へぇ?いるんだ、男』
「い、いないわよ!!レオが適当なことを言っているだけで・・・!」
『じゃぁ、なんでそんなに焦ってるの?』
「そ、それは・・・だから・・急に変なこと言い出すから・・てか、香水って匂いが移るもんなの?」

確かに、私は昨日ずっと宮川の隣にいた。
初めてあったときのように少しのスキンシップ(っていうか、結構激しい?)はあったけど・・・。

『さぁ?なんで?』
「いや、移るもんなのかなぁと・・・」
『てことは、心当たりはあるんだ?」
「はっ!?ち、ちがっ」
『あんたって、いじりがいあるわよねー。図星だとすぐに焦る』

姉さんは面白そうに言う。

『ま、とにかく。あたしこれから仕事だから、そろそろ切るわよ。男が出来たら、ちゃんと連絡ちょうだいねー♪』
「は!?何言って・・・」
『じゃ、ばいばーいww』

そう言い残すと、電話は一方的に切られた。

「はぁー・・・」
「溜め息ばっかついてると、幸せが逃げるよ?」
「誰のせいだと思ってんのよ・・・」

じろりとレオを睨むとレオは知らない振りをした。

「あ、そうそう。あたし毎晩いないけど、あんた達どうすんの?」
「え、夜いないの?」
「バイトあるからさ、夜ご飯とかどうするの?」
「どうするって・・・」

レオは困ったように頭をかく。

「俺、料理出来ないんだけど・・・」