「はぁ～・・・」

私は家への帰り道を歩きながら溜め息をつく。

「疲れたよぉ～・・・」

あいつといると、体力半分くらい消費されるわ・・・。

先ほども、宮川と話していて体力を消費したばっかりだ。

『あれ、先輩。家何処なんですか？』
『あんたに関係ないでしょ』
『ありますよ。教えてくれなきゃ遊びに行けないじゃないですか』
『はぁ！？』

何なんだ、あいつ・・・。

私は自分の家であるマンションに入る。
自動ドアを抜け、エレベーターに乗りこみ『３』のボタンを押す。
そう、私は一人暮らし。
高校に入学するとき、実家からだとさすがに遠いということで一人暮らしになった。
マンションの家賃は毎回両親から送り込まれる。

チン、という音と共にエレベーターのドアが開く。
エレベーターから降り、私は自分の部屋へと足を進める。

「♪～」

鼻歌交じりに、私が今夜歌った曲を口ずさむ。
部屋の前に着くと、パスワードを入れて鍵を差し込む。
かちっ、と鍵が開く音を確かめると、私は部屋に入る。

「あれ？」

私は玄関に入った途端驚く。
玄関には、少し大きめな靴と明らかに子供用の靴がある。

まさか・・・。

私は靴を脱ぎ捨て部屋へと走っていく。
バタンっ、とドアを開けると、そこには学ランを着た男の子とピンク色のワンピースを着た女の子が座っていた。

「レオ！！める！！」
「あ、おかえり」
「おかえりー、凛姉ちゃん」

私の声に二人が振り返る。

そこにいたのは、我が弟と妹。
学ランを着た男の子は弟の『レオ』。１４歳、中学生。
ピンク色のワンピースを着ているのは、妹の『める』。９歳、小学生。
二人とも、実家に住んでいるはずなのに、なぜかここにいる。