いきなり呼ばれたのでびっくりしながら返事をする。

「着いたんですけど」
「へ・・・?」

そこはもう店の目の前だった。

「なに?もっと入っていたかったですか?」
「な、何言ってんのよ!!ふざけないで!!」

傘をたたむ宮川を怒鳴りながらふっと宮川の肩を見ると、びしょ濡れになっていた。

「ちょ!?濡れてるじゃない!!」
「あぁ、傘小さかったですからね」
「あぁ、もう。なにやってんのよ;;」

私は急いでハンカチを取り出し、宮川の肩を拭く。

「頼むから風邪引かないでよね」
「心配してくれてるんですか?」
「ち、違うわよ!!」
「あらあら、なにイチャイチャしてるのよ~☆」

声のしたほうを見ると、店の前に店長が立っていた。

「店長!!」
「も~、ラブラブなんだからぁ☆」
「違います!!」

力一杯否定する私。
それを見てニヤニヤする宮川。

「はいはい、分かったから♪はやくお仕事してねー☆」
「「はーい」」

声が揃う私たち。

「なんで合わせるのよ!!」
「別に合わせてませんよ」

私は店への扉を開く。そして、その後に続いて宮川が笑いながら入る。





これから、大変な日々が始まりそうです。