運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~

父は悟が初めて就職して、修行をしているときに亡くなった。

亡くなった後に、母から悟は父がずっと渡せなかったというプレゼントを渡された。

それは悟の名前が入った包丁と割烹着。
その時父の本当の想いを知った。

本当は料理人を目指すとわかった時、父は自分のあとを継いでほしいと思っていたのだ。
息子と一緒に調理場に立つことが父の夢だったのだ。
どんな時も、優しく穏やかに悟の想いを尊重してくれていた父。
悟が進みたい道がイタリアンの道だと知った父はそっとプレゼントと一緒に自分の夢をしまい込んでいたのだ。

亡くなってから知る父の本当の想いに悟は言葉にできない感情を覚えた。

父の想いの分も、自分の選んだ道を父が心から納得してくれるように極めたい。

こだわりながら修行をする悟を突き動かす理由は父の想いだった。