運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~

一方悟も。
毎日市場に顔を出して、その日のメニューを決める。
おいしそうな食材を、おいしく食べてほしい。

専門学校を卒業してから、東京に上京してイタリアンレストランで修業を重ねた。
修行先で認められて、すぐに調理場の責任者になった。

でも、責任者になって数日後に悟は辞表を提出し、今度は別のレストランで修業をした。

場所が変われば自分はまた初心者だった。
まだまだ知らないことがたくさんあった。

知らない世界をもっと見たい。

そうしている間に、付き合った彼女もいた。
自分の夢に向かって突っ走ってしまう悟から告白をしたことはない。
自分の人生に彼女を振り回してしまうかもしれないことは簡単に想像がついていた。

案の定、いつも告白をされて付き合う彼女は仕事にのめりこむ悟に愛想をつかして離れていった。