運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~

自分が立ち止まってしまったら、生活できなくなってしまう。
これからまだまだ続く長い人生。その人生を一人で支えて行かなくてはならない。

誰にも頼れない。甘えられない。

自分だけ。自分だけなのに、止まってしまったら・・・。

医師から生活の注意点を聞いてから点滴をして処置室を出ると・・・「大丈夫!?」と目の前のベンチに座っていた悟が立ち上がり、綾乃の方に近づいてきた。

「すみません!お時間をとらせてしまって。」
先に悟が帰宅できるように声をかければよかったと、綾乃は後悔した。
ずっと処置室に入っている間、悟はこうしてベンチに座って自分を心配してくれていたのだろう。

「そんなこといいんだよ。大丈夫なの?」
綾乃が手に持っていた悟のダウンを悟はすっと取り、綾乃に着せる。