運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~

【予約席】
そこには昼に送られてきたメッセージに添付してあったブルドックの絵が描かれていた。

思わずふっと笑った綾乃。
「疲れた顔して。ほら、早く座って。」
悟は綾乃を見て少し心配そうな表情になった。

確かにこの一週間、休みなしで仕事をしていた。
夜中にシステム異常でプログラマーと一緒に呼び出された日もある。

疲れた。

この日のためにと頑張ってきた綾乃はどっと疲れを感じていた。
同時に、ちゃんと営業時間内にこの場所に来ることができたという達成感も感じていた。

悟に言われて、綾乃はカウンター席に座った。
手書きの【予約席】を指でなぞる。