運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~

一瞬とめていた自分の手。

まだ手にはかすり傷が残っている。


いろいろな思いがこみ上げる。

綾乃はまだまだ癒えていない自分の心の傷に気づいている。
ただ、忘れようと必死で仕事に打ち込んで、立ち止まらないようにしてごまかしている自分にも気が付いている。

それでも前に進むしかなかった。

今は進むしかない。

ほかの何かで心を癒す方法を知らない。


私はこうして・・・一生孤独を背負って生きていくのだろうか・・・