運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~

「はじめまして」
レストランに入ると、厨房からいい香りが漂ってきていた。

「初めまして。お邪魔してます。」
客席の方から女性が一人、綾乃たちの方に向かって来た。
「紗那さん。旦那は厨房でラザニア作ってくれてる。奏介。」
悟が紹介してくれた二人に綾乃は頭を下げる。

2人とも似た雰囲気の、夫婦だ。

「今日は保育園の参観日だったらしくて、レストランを閉めて奏介も参戦してきたらしいんだ。」
「ははっ。きっと悟もそうなるぞ。」
「当たり前だろ。」
紗那に抱っこされている男の子がかわいらしい。
「はじめまして。」
綾乃が目線をあわせて挨拶をすると男の子は手を伸ばした。
「挨拶代わりのタッチです。最近人見知りが激しくて。」
紗那がそう言って綾乃を見る。
綾乃は微笑みながら自分の息子もそうなるのかと想像してタッチをした。