運命が変えた一夜 ～年上シェフの甘い溺愛～

綾乃が息子を抱いてレストランへ向かうと、入り口に悟が立って待っていた。
本当は迎えに行きたいと言っていた悟。
それでも息子と一緒に散歩をしながら向かいたいと綾乃が言ってきかなかった。

2人の姿を見て悟はレストランの前から駆け寄ってくる。

「いらっしゃい」
「お待たせ。少し遅くなっちゃった。」
「そんなことない。大丈夫。」
悟はすぐに綾乃が持っていたバックを預かり、抱っこされている息子の顔を覗き込んだ。
「いらっしゃい。よく来たなー。パパの所に来るか？」
そう言いながら息子に手を伸ばす悟。

この柔らかな表情を見るのが好きだ。

「もういらしてるの？」
「あぁ。今日は自分のレストランの休業日らしくて、奥さんも来てるんだ。」
「待たせちゃったかな。」
「大丈夫だって。そんなに気を遣うような奴じゃないし。」
笑いながら悟は息子を綾乃の腕から抱き上げると嬉しそうに笑いながら、レストランへと歩き始めた。